財政制度等審議会の分科会は4月28日、高齢者の医療費窓口負担を原則3割へ引き上げる「工程表」を2026年度内に作成するよう提言した。70〜74歳の3割化、75歳以上も経過措置を視野に同水準へ、という内容で、70歳以上が毎月ほぼ定額で外来を受診できる「外来特例」の廃止も明記された。法改正が前提のため施行時期は未定だが、自民・維新の連立合意に「年齢によらない応能負担」が掲げられており、方向性は固まりつつある。
患者はどう動くか
窓口負担が1割から3割へ上がれば、軽症・慢性期の高齢患者ほど受診回数を絞り込む。過去の2割化局面でも、外来や検査など比較的軽度なサービスの利用が減ったことが知られている。とりわけ外来特例の廃止は、「月内は何回通っても上限まで」という安心感を崩し、頻回受診層の通院間隔を確実に延ばす。
外来オペレーションへの跳ね返り
高齢者比率の高い内科・整形外科・眼科では、延べ患者数と再診頻度の双方が下押しされ、再診料・処置料を積み上げる収益モデルが揺らぐ。一方で1回あたりの診療密度を高める必要が生じ、予約枠・人員配置の見直しが避けられない。受診間隔が延びることで、コントロール不良の発見が遅れるリスクも高まる。
医師が今すべきこと
受診回数依存から「1回の質」への転換を急ぎたい。長期処方やリフィル処方で通院負担を抑えつつ、検査・指導を計画的にまとめる運用へ。負担増を理由にした自己中断を防ぐため、次回受診の必要性を金額の見通しとともに具体的に伝える説明を標準化しておくとよい。
一言まとめ:「通い放題」の終わりは、再診回数で稼ぐ外来から計画診療へ――構造転換の前倒しを。